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環境問題と技術コンサル番外編

「七人の侍が切る!環境問題と技術コンサル」番外編

先日某所でKarukiさんからの化石燃料発電に関する問題提起ついて議論した際に

「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」から地熱エネルギーに関して

大変有意義なお話を伺うことができました。

燈影新エネルギー開発株式会社HP

 

せっかくなのでここで番外編として取り上げさせていただこうかと思います。


Karukiさんからの投げかけ。

CO2排出削減のために化石燃料発電止めよう派の皆様に質問。

再生可能エネルギー(日本語ではかなり意味的に誤訳に近いけど)

として太陽光パネルがありますが

この太陽光パネルがどれくらいCO2排出の上で成り立っているか?

また寿命を迎えた後にどうなるか?

 

その辺りはちゃんと理解した上で議論されてるでしょうか??

ここを押さえていないと、目先の発電CO2は減っても数十年後

(ここで議論している皆様の死後)はどうなるかわかりませんよね。

 

先の事は分からないから、とりあえず目先のサバイバル?

 

「春山」

私は太陽光に限らず自然エネルギーの利用には

もっと慎重になるべきだと思います。

それよりも

古い火発を最新の設備にすることでの削減効果を真剣に考える。

原発の安全利用法を議論する。

 

これらの方が現実的ではないかと思います。

 

太陽光パネルを導入すると、地上に注がれるはずだったエネルギーが無くなる。

風力発電を建設すれば、風の流れが変わる。

地熱を利用すれば、地上に出てくるはずだった熱エネルギーが奪われる。

化石燃料よりダイレクトに地球環境に影響及ぼすんじゃないかな。

 

この辺の検証がなにもないままCO2ダメ。自然エネルギー万歳。

というのは

原発の安全神話を疑わなかった時代の日本となにも変わってないじゃん。

というね。

 

すでに議論されていますがゼロイチではなく、これをやると何%削減できる。

という中間地点が大事だと思います。

 


「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

地熱は、減りません。

地球が終わる時まで還流し続けます。

テクノロジーの進化でどう利用するか?

また、温泉などで利用する際、温度を下げて浴用に利用し、熱水を河川へ流しています。

カスケード利用の促進をするべきです。

 

*注釈:カスケード利用とは

一度使用した資源やエネルギーは品質が下がりますが、

その下がった品質に応じて何度も利用する事を言います。

単純に段階利用とも言います。

地熱により得られる150℃を超える流体(要するに過熱蒸気)を利用して発電を行うと、

流体の温度が下がります。

150℃を下回ってくると温度帯によって食品加工や家庭用温水、温泉、汚物処理など

様々な用途に利用することができます。

 

「春山」

地熱発電のメリットとデメリットを教えていただけますか?

私は地熱を含めた自然エネルギーの

語られていないデメリットがあるのでは?

と懐疑的な人間です。

 


「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

おっしゃる通りだと思います。

ダークサイドは、必ずあると思います。

但し地熱は、環境負荷の少ない博打だと考えています。

数千万かけて地下探査して評価して学識者が確立を認め数億かけ温泉井戸を掘っても思うように蒸気量を確保出来ないことがあります。

 

だからキャッシュリッチな企業の方達か、

または私達の様に大馬鹿モノと言われる私達、

大手の電力会社以外の使命感を持った人達しか当たらない、

つまり出来ません。

メールの文書では伝えきれません。


 

漁業、農業、林業との連動で新しい日本の姿を目指しています。

 

「春山」

実は別のところで技術士の集まり(七人の侍が切る!環境問題と技術コンサル)で環境問題について議論した時に、みんなの専門からは外れていたのですが、山林の多い火山大国の日本では太陽光や風力よりも地熱が有効では?という話がありました。

でもあんまり話題に上がらないなぁと不思議に思っていたのですがお金がかかる上にバクチ要素が高いとなると参入難しいですね。

 

でも太陽光や風力より安定していると思われるのでなんとか参入障壁が低くなって地熱利用の開発が盛んになるといいなと思いはするのですが、、、

 

ちなみにその時話題に上がったのは、IoTの利用にエナジーハーベスティングという技術が注目されているということです。

圧力を利用した圧電効果や温度差を利用したゼーベック効果による発電をIOTのセンサー用電源として利用するというものです。

発電量は微弱ですが、IoTで使うセンサー程度であればまかなえるだろうという発想です。

 

 


「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

平成25年度の経済産業省の理解促進事業の採択を受けカスケード利用温泉熱バイナリーサイクル発電所と先進的農業ハウスを設計施工させて頂き、温泉熱を余すところなく利用するデザインをさせて頂きました。

 

昭和の時代から行われている大手財閥系地下資源探査である程度の評価はNEDOさんから取れますし、温泉が枯れることがない設計ではありますが、この辺りのことをまだご理解いただけていない温泉事業者様や既得権利、先行大企業などから非協力的な面があるのは事実です。特に系統連係が問題となっています。何れにしても地熱のイメージでアレルギー反応されることがありますが、地元理解を乗り越えてやっています。

 

本件は僅か49.8kWhの発電所と農産物で充分賄えるシステムになっています。作物は、キクラゲです。

 


「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

クラウドでの農業ハウスのセンシングは、湿度、温度、CO2濃度、照度、換気を農家さんの携帯を使いリアルタイムで監視し、管理する。つまり環境を遠隔コントロールできる世界初のシステムを構築させていただきました。また、昨年度から熊本大学と組み、IOTを使った発電所の井戸の圧力、電気伝導度、温度、蒸気量などの見える化をNEDOさんのエンジニアリング協会さんから発注があり、熊大の當舎先生と組み、当社のOTE大分バイナリーサイクル発電所(http://ote-oita.co.jp/)に取り付け実証中です。

これが出来ればスマートシティが実現します。

 

「Karukiさん」

素晴らしいですね。

NEDO予算取れた事をアピールしても地元の皆様は

感情的には反対されるのでしょうか?

伝統ある温泉を大切にする気持ちが強いでしょうから

仕方ないのでしょうけれど・・・

 



「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

当方からの説明不足でした。誤解があります。

基本的に我々のデザインしている事業スキームでは、温泉井戸から出たお湯は一切取りません。

その資源は温泉事業者やその他有効利用を多段階でお渡ししています。

由布院奥江地区では皆さん大賛成でご協力頂いています。

鹿児島県指宿市の南迫田地区地熱利用協議会さん地元のお爺さん達からも

ワシの目の黒いウチにやりなさいと応援して頂いていますが、

一部関係者の反対を受け難航しています。

 

諦めずに真摯に理解を求め続ける次第です。

 

「Karukiさん」

理解得られる場合もあるのですね。

良かったです。

何も出来ませんが…気持ちとしては応援します。

 


「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

応援大変ありがたいです。

子供達に電力を選べる選択肢を必ず作ります。

宿題を未来の子供達に押し付けないように!

 

「春山」

素晴らしい取り組みと成果ですね!

私はこの分野は門外漢ですが、

 

地熱エネルギーから蒸気を取り出しての発電
ではなく

地下と地表の温度差を利用しての発電が

できれば博打要素は減るのでは?

 

ただの思いつきで恐縮ですが。 

 


「燈影新エネルギー開発株式会社ご担当者様」

二重管方式、又はサイフォン方式です。既に実践開始しています。

つまり複雑な縛りの温泉法に抵触しない新方式なんですが、それこそエネルギー保存の法則があり、地熱で爆発的に上がってくる媒体を冷やして、また地下に戻すにはまだテクノロジーがついてきません。

がチャレンジし続けます。

 


素晴らしい取り組みを聞かせていただき大変勉強になりました。

個人的には「宿題を未来の子供たちに押し付けないように!」の一文に心震えました。

我が家にもちびっこが二人いますので。

 

豊かな世界を持続するために、何ができるか?やるべきか?常に考えていきたと思います。<春山>